【後編】風邪を引いたら薬を飲むな—熱を下げずに免疫力をブーストする正しいケアと「頭寒足熱」の原則とは?

【後編】風邪を引いたら薬を飲むな—熱を下げずに免疫力をブーストする正しいケアと「頭寒足熱」の原則とは?

【本記事の知恵と哲学について】

本記事は、身体教育家・佐藤式の視点から、風邪・感染症の根本原因と予防法について、**日本の病を治す 吉野敏明チャンネル**で語られた内容に基づき、解説しています。

【後編】風邪を引いたら薬を飲むな—熱を下げずに免疫力をブーストする正しいケアと「頭寒足熱」の原則

前編・中編を通じて、風邪は「病気の元」による免疫低下と、生活習慣の乱れによって引き起こされることを解説しました。

最終章となる本記事では、もし風邪を引いてしまったとき、どのように身体の**免疫機能を最大限に活かして**治癒を早めるのか、その具体的な対処法について深掘りします。重要なのは、**症状を止めず、熱を下げない**という発想の転換です。

1. 薬で症状を止めることが「逆効果」である理由

風邪の症状は、不快ではありますが、すべて身体がウイルスを排除するために行っている**「防御反応」**です。薬でこれらの症状を無理に止めることは、ウイルスの排出を妨害することに繋がります。

1-1. 咳・鼻水・下痢の本当の意味

  • **咳・鼻水:** 喉や気管支、鼻の粘膜に定着したウイルスを、痰や鼻水という形で体外に「排出」しようとする行為です。
  • **嘔吐・下痢:** 消化器系に侵入したウイルスを、体外に「洗い流し」て取り除くための緊急反応です。

薬(咳止め、下痢止めなど)でこれらの排出経路を塞いでしまうと、ウイルスは体内に留まり続け、かえって治癒を長引かせてしまいます。辛くても、ある程度は自然に任せて**出し切る**ことが、回復への最短ルートです。

2. 発熱は最大の武器:「熱を下げるな」の科学的根拠

多くの人が解熱剤を使って熱を下げようとしますが、吉野医師は**発熱こそが身体最大の武器**であると解説しています。

2-1. 発熱による白血球の「ブースト」

熱を上げているのはウイルスではなく、自分の体(脳)です。体温が1度上がると、ウイルスと戦う主役である**白血球の機能は約60%も向上**します。

  • **白血球の機能向上:** 貪食能(ウイルスを食べる能力)、走能(ウイルスへ向かって走るスピード)、分化能(強力な免疫細胞への変身能力)といった全ての戦闘能力が強化されます。
  • **38度の意味:** 平熱より約2度上がっている38度の熱は、白血球が普段の能力を**約120%(2倍以上)**にブーストし、ウイルスを倒そうと全力を尽くしている状態です。

2-2. 解熱剤のデメリット

解熱剤で熱を下げると、せっかく**120%に引き上げた白血球の戦闘能力を自ら下げてしまう**ことになります。これにより、ウイルスに対する抵抗力が弱まり、治りが遅くなってしまいます。(ただし、40度を超えるような危険な高熱の場合は例外です。)

3. 風邪を引いた時の正しいケア:「頭寒足熱」の徹底

薬を使わずに免疫力を最大限に発揮させるための具体的なケア方法が、「頭寒足熱」の原則です。

3-1. 温めること(足熱)

  • **体全体を温める:** お湯や白湯で水分をしっかり摂り、厚着をするか布団をしっかりかぶって体を温めます。
  • **発汗の重要性:** 汗をかくことで、汗と共にウイルスなどの毒素を排出します。一晩で何度も着替えが必要なほど汗をかいても構いません。

3-2. 冷やすこと(頭寒)

体を温めていても、**頭だけは何があっても冷やさなければなりません**。

  • **後頭部を冷やす:** 熱の中枢(体温調節の中枢)がある後頭部を、氷枕や氷水を入れたビニール袋などで徹底的に冷やします。
  • **目的:** 身体全体が熱で戦っている最中でも、司令塔である脳をオーバーヒートさせないために、頭寒足熱を徹底します。

結論の例え話:無敵モードのスーパーマリオ

〜解熱剤は「自らスターを捨てる行為」〜

発熱時の身体の状態は、まさにビデオゲームの主人公、**スーパーマリオがスターを取って無敵モードになっている状態**に例えられます。

**発熱 = スターの獲得:** 身体はウイルスという敵に囲まれたため、「発熱」というスターを使って、白血球の移動スピードも攻撃力も倍増させています。

**解熱剤の使用 = 自らスターを捨てる行為:** ここで解熱剤を飲むのは、「体が熱くてしんどいから」という理由だけで、せっかくの無敵モードを自分からキャンセルし、弱い状態に戻ってしまうようなものです。

敵(ウイルス)がまだウヨウヨいるのにわざわざ弱体化すれば、戦いは長引き、治癒は遠のきます。危険なレベルでない限り、熱を利用して戦い抜き、**頭寒足熱で司令塔(脳)だけを守りながら**、自力で風邪を治し切るのが、最も理にかなった身体教育なのです。

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(元動画:[YouTube 年末年始にかかりやすい病気とその対策](https://www.youtube.com/watch?v=msutpS6-8m8))

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