【本記事の知恵と哲学について】
本記事は、身体教育家・佐藤式の視点から、アルツハイマー病の根本原因を「食」と「身体の構造」から考察します。その解決策は、炎症の元を断つ「食の引き算（抗炎症の食事法）」の徹底です。
【アルツハイマーの真実・後編】脳を守り「若々しさ」を保つ最終手段—食の引き算とマイオカインを味方につける戦略
【結論】脳の老化を防ぐ唯一の方法は、
「病気の元（炎症の元）」を断つ「食の引き算」と、
抗炎症ホルモン「マイオカイン」を増やすことである。
前編で解説した通り、アルツハイマー病は「炎症の連鎖」が原因で進行します。この連鎖を根本から断ち、脳の若々しさを維持する鍵は、食生活の見直しと適切な運動にあります。これこそが、貴社が提唱する食の引き算（抗炎症の食事法）と、身体教育の知恵が示す実践法です。
1. 脳の炎症を断つ「食の引き算」の徹底
アルツハイマー病を誘発する最大の要因は、炎症を引き起こす「病気の元」の過剰摂取です。
1-1. 病気の元（4毒）と認知症の関連
- 植物油の排除: 前編で述べた通り、植物油の過剰摂取は認知症の直接的な引き金となることが臨床的に指摘されています。
- 甘いもの・乳製品: ケーキ、プリン、ヨーグルト、チョコレートなど、噛む必要のない柔らかい甘いものは、弱年型のアルツハイマー病患者（主に女性）に共通する食生活として挙げられています。
- 内臓脂肪の正体: 内臓脂肪が多い状態は、全身で弱い炎症がずっと起こっている状態を意味します。内臓脂肪から分泌されるアディポサイトカインが、慢性的な炎症を起こし、これが脳にも影響してアルツハイマー病を進行させます。
- 食の引き算の重要性: これらの炎症の元を食卓から徹底的に引くことが、脳の血管拡張点滴治療などと並行して行うべき、最も根本的な治療であるとされています。
2. 筋肉が脳を守るメカニズム：マイオカイン戦略
脳の若さを維持する二大要因の一つである「筋肉」は、ただ運動するだけでなく、適切な運動をすることで抗炎症ホルモン「マイオカイン」を分泌し、脳を守ります。
2-1. マイオカインの驚異的な効果
- 炎症の抑制: 筋肉は、血糖を処理する最大の臓器であると同時に、運動によってマイオカインを分泌し、体中の炎症を強力に鎮めます。
- 多岐にわたる効果: マイオカインは、糖尿病、パーキンソン病、そして癌に対しても炎症を抑える効果が期待されています。
- 運動不足の危険性: 運動不足により筋肉が衰えると、逆に**有害な分子（悪いマイオカイン）**が分泌され、脳に達して認知機能を障害する可能性が示唆されています。
2-2. 脳を若返らせる「歩き方」
マイオカインを効果的に分泌させるには、過度な運動は逆効果です。
- 「走る」はNG: 筋トレや有酸素運動はアドレナリンやノルアドレナリンを増やし、体を酸化（錆びる）させます。マラソンなどでの心肺停止事例は、過度な運動の危険性を示しています。
- 最適な方法: 「歩くこと」こそがマイオカインを出す最適解です。
- 歩行の基準: 早歩きで、**呼吸数と心拍数がほぼ一致する**ぐらいのスピード（ドックン、ドックン、ドックンぐらい）を意識することが、最も体が健康になる状態です。
- 目標歩数: 1日に**10,000歩から12,000歩**を目安に歩くことを推奨します。
- 日常の工夫: 階段は1段飛ばしで上がる、エスカレーターやエレベーターを使わない、ヒールの靴を避けるなど、常に筋肉を減らさない生活を心がけることが重要です。
- ダイエットの注意点: 痩せる際も、極端な食事制限や急激な減量（半年で15kgなど）はリバウンドを招き、身体に負担をかけます。**1ヶ月に1kg痩せる**のが最も早く、確実な方法です。
結論の例え話：脳を「データセンター」に例える
〜データセンターを破壊する「ウイルス」と「熱暴走」〜
あなたの脳は、一生の記憶と思考を司る超高性能な「データセンター」のようなものです。
「病気の元（植物油や甘いもの）」は、このデータセンターに侵入しようとする「ウイルス」です。データセンターは防御システム（アミロイドベータ）を作動させますが、ウイルスが多すぎると、防御が過剰になり、内部のシステム（神経）を攻撃し始めてしまいます。
同時に、「内臓脂肪」は、データセンター内部で発生する「熱暴走」です。熱（炎症）が常に微弱ながら発生し続けることで、システム全体（脳機能）のパフォーマンスが落ち、動作不良（認知症）を引き起こします。
脳の若さを保つには、「食の引き算」でウイルス侵入を止め、「マイオカイン」という名の「冷却システム」を常に稼働させること。これこそが、脳の健康を握る究極の戦略です。
未来の笑顔を守るために。この知恵を、愛する家族に届けてください。
この知恵は、ご両親、おじいちゃん、おばあちゃんの健康寿命を延ばし、お孫様世代の未来の健康を守るための確かな知恵です。ぜひ、この大切な知恵を、愛するご家族に教えてあげてください。
【本記事の知恵の出典（エビデンス）】
- 東邦大学. 内臓脂肪の老化が脳の老化を進める. [url: https://www.toho-u.ac.jp/press/2024_index/20250214-1450.html]
- 富山大学. 筋肉が認知症発症をコントロールする！ ～動かさないことで衰えた筋肉から分泌される有害分子を発見. [url: https://www.u-toyama.ac.jp/news-education/37368/]
- 吉野敏明チャンネル〜日本の病を治す〜. 「脳が老ける人」と「若々しい人」の決定的な違い. [url: http://www.youtube.com/watch?v=ohbKPdLZ2lM]
- 糖尿病ネットワーク. 中年期の肥満やメタボが脳の老化を10年以上早める. [url: https://dm-net.co.jp/calendar/2019/029435.php]
- 肥満予防健康管理財団. 肥満は認知症リスクも高める. [url: https://himan.jp/news/2025/000955.html]
- 花王株式会社. 65歳以上の人において、内臓脂肪と認知機能が関係していることを発見. [url: https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2021/20211125-001/]