前編【激増するうつ病の真実】患者数は40年で8倍以上!ストレス社会のせいではない『原因と歴史』とは?

前編【激増するうつ病の真実】患者数は40年で8倍以上!ストレス社会のせいではない『原因と歴史』とは?

【本記事の知恵と哲学について】

本記事は、身体教育家・佐藤式の視点から**日本の病を治す 吉野敏明チャンネル**で語られた内容に基づき、解説しています。

【全編】激増するうつ病の真実:患者数は40年で8倍以上!ストレス社会のせいではない「原因と歴史」

現在、日本ではうつ病や気分障害、関連疾患の患者数が激増しています。医学統計上、気分・感情障害で治療を受けている患者数は**170万人**に達し、これは日本の成人人口の約50人に1人が該当する異常な数字です。

この患者数は1970年代以降一貫して増加し、1990年代後半以降、その増加は極めて急激です。増加の原因は「ストレス社会だから」と簡単に片付けられがちですが、身体教育家・佐藤式はこの通説に疑問を呈します。

なぜなら、1970年代は現代よりも生活インフラが未整備で、職場や社会のストレスがはるかに厳しかった時代だからです。では、この激増の裏側には何があるのでしょうか?

1. 過去のストレス社会と現代の対比:ストレスは本当に増えたのか?

現代よりもストレスが少なかったという認識は、当時の具体的な生活環境を知ることで覆されます。

1-1. 1970年代の「不便さ」がもたらす肉体的・精神的負荷

  • **インフラの未整備:** 電車の冷房は新幹線ぐらいしかなく、一般車両には皆無。車にもほとんどエアコンがありませんでした。
  • **社会的な強要と暴力:** パワハラ、セクハラは当たり前。飲み会や社員旅行は強行参加が常識。当時は校内暴力も当たり前に存在しました。
  • **生活の不便さ:** スーパーマーケットは存在せず、八百屋、魚屋、肉屋での店頭販売が主流でした。

当時の生活環境を考えると、「現代の方がストレスが8倍増えた」という説は成り立ちません。むしろ、現代は利便性が高まり、ストレスは**8分の1以下**になっていると考える方が自然です。

2. 患者数激増の真の原因:「病名の再設計」と「金の流れ」

うつ病患者が激増した背景には、ストレスの増加ではなく、**病気の定義と診断基準の変化**、そしてその裏にある**製薬業界の経済的な動機**が深く関わっています。

2-1. 1980年代以前:病名の分散と患者数の抑制

1970年代の患者数は**約15万人**でした。この頃、抑鬱気分や身体症状は、以下のように細かく分散されて診断されていました。

  • *抑鬱神経症*
  • *心身症*
  • *自律神経失調症*
  • *不定愁訴症候群*

つまり、「気分が落ち込んでいる」という症状は、医師の解釈や診療科によって、別々の病名にされていたのです。

2-2. 1980年代以降:診断基準の拡張と病名の集約

患者数が急増した直接的な契機は、以下の医学的・行政的なパラダイムシフトです。

  • **DSM-3の導入(1980年):** アメリカ精神医学会がDSM-3を発表し、「精神疾患をチェックリストで定義する操作的診断基準」を導入。これにより、患者数が急激に増加し、1980年代後半には30万人に倍増しました。
  • **ICD-10の導入(1990年代):** 国際疾病分類ICD-10が行政統計に導入され、「気分障害」という枠が制度的に確立。心身症や自律神経失調症といった病名が統合され、ほとんどが**気分障害(脳の病気)**として集約されていきました。

2-3. SSRIの発売と「心の風邪」キャンペーン

患者数の集約の流れに決定的な影響を与えたのが、1999年の**SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)**および**SNRI(ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)**の日本での発売です。

  • **製薬業界の利益:** 「何が儲かるか」という金の流れを追うと、SSRI発売後、製薬会社が大きく利益を上げるようになった時期と一致します。
  • **キャンペーン効果:** この頃、「**うつは心の風邪**」というキャンペーンが大々的に展開され、病院で薬をもらうものだという意識が浸透し、患者数は激増しました。

結果、1996年時点で43万人だった気分障害患者は、2002年に71万人、2020年を超えて170万人以上へと激増しました。

結論:脳の病気という「解釈」の代償

〜あなたの心は「壊れた時計」ではありません〜

「うつ病は脳のセロトニンが不足している病気だ」という現在の主流の解釈は、薬物療法を主軸とする医療システムを急速に拡大させました。しかし、この解釈は、薬の副作用という新たな不調(便秘、むくみ、体重増加など)を患者にもたらす代償を伴っています。

本当に心の問題は、脳という「時計」が壊れたこと(セロトニン不足)が原因なのでしょうか?佐藤式では、この心の不調は、現代人が無自覚に摂り続けている**「四毒」**による**全身の慢性炎症**こそが本質であると考えます。

**あなたの不調は脳だけの問題ではありません。中編では、現代人が陥った「四毒」による心の不調の具体的なメカニズムと、それを根本から解決する方法を解説します。**

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(元動画:[YouTube 激増するうつ病](https://www.youtube.com/watch?v=y_xAP_Ihon0))